山の遊び舎はらぺこ
保育士日誌

最近読んでいる本

06/9/18

少し前に書店でみつけた。
「旅は驢馬をつれて」(スティヴンスン 著 小沼丹 訳)みすず書房
スティヴンスンは「宝島」のスティヴンスン。
本書は1878年に28歳のスティヴンスンがフランスのセヴェンヌ地方を
12日間の徒歩の旅に出た記録。翌1879年に出版され1950年に翻訳され
1955年に文庫に。そして2004年復刻。ということらしい。
これがおもしろい。けっして一気に読んでしまうというタイプの文章ではないが、
ゆっくりゆっくりスティヴンスンと旅を楽しむ。
さすがに50年も前の訳だから時代がかった表現もあるがそこもまたよい。
荒野を歩いている姿、森で眠る時の気持ち。人との出会い。すべてを
著者が楽しんでいるのがよくわかる。解説の江國香織は
「口の中でゆっくり溶かすキャラメルのように、ゆっくりくり返し読みたくなる。
濃くて、滋味豊富。胃ではなく心を、たぶん幸福にする」とべた褒め。
この本はみすず書房の「大人の本棚」というシリーズの一冊。
このシリーズのことは全く知らないが同じシリーズの中で
もう一冊読んだのが
「素白先生の散歩」(池内紀 編)だ。
これが前記の作品とは正反対のまさにあっさりした文章で
それはそれでまたよい。
岩本素白という人のことも全く知らなかったが、
何気ない散歩を愛し、美しい言葉を綴っていて
これまたゆっくりゆっくり楽しんだ。

旅でも散歩でもやっぱりおもしろいなあ。
子どもたちと名もない風景の中に飛び出していきたいなあ。
仕事で散歩できるなんて
なんて素晴らしい仕事なんだろうね。
保育士って。


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